何事にも謙虚な姿勢で対応 人を大切にする会社であり続けたい
大成段ボール(株)(東かがわ市湊1945)
代表取締役社長安芸真二氏(1957年4月5日生まれ)
三本松高校から早稲田大学に進み、野球とともに青春を過ごした。大学では元巨軍の山倉捕手、現阪神の岡田監督らが先輩として在籍、大先輩達と早稲田野球部の一時代を築いた。 内野手として活躍していた氏は、ノンプロ球界からの誘いもあり、就職するにあたり選択肢はいくつかあったという。 恩師等のアドバイスを仰ぎ、最終的に選んだのは、父親であり現会長が創業した会社への就職であった。
卒後、岡山の製紙メーカーへ勤務、1年間は紙の研究と勉強に努めた。そして帰郷、24年前に同社へ入社。 厳格な父親は、氏に特別扱いという甘えは一切許さなかった。 一社員として入社、製造から始まり配送。営業と全ての現場を歩き、スポーツマンらしく正々堂々と役職もひとつずつ実力でつかみ取ってきた。そして平成13年、現職に就いた。 一般企業に勤務したこと、現場を一から見てきたことは大きな糧となった。 「会社をつくるのも育てるのも人。社員は大きな財産、人を大切にする会社であり続けたい。目指す企業像は定年まで勤めあげた時に、大成段ボールで仕事をして良かったなと思ってもらえるような会社。取引先に対しても同じです。 とにかく周りに支えられて今がある。いつでも、ありがとうという言葉を忘れないよう心掛けています。」
同社は昭和37年に地場産業の手袋向け段ボールメーカーとして創業。現在は瀬戸内圏中心に、段ボールや美粧ケースを提供するほか、20年ほど前に立ちあげた商事部で、中四国のホームセンター等へ梱包商品や食品容器、ポリ・紙製品、家庭必需品の卸売を行っている。社員の平均年齢30代前半という若くエネルギー溢れる企業だ。
「主力の段ボールは、物流に欠かせない商材。さらに価値のある業界に育て、そのなかで我が社の存在価値を高めていきたい」と自社の将来像を描く。 「年男という節目ではあるが、そのことに関して特に意識はない。ただ数年のうちに、企業の経営や発想の感性を作り上げ、次代に向けた確固たる基盤構築に取り組みたい」と力強く締めくくった。
-香川経済レポート 1月5日(2005 No.811)号より-